内堀通りを半蔵門に向かい、さらに先に行けば国立劇場、最高裁判所と建ち並んでいる。この最高裁(隼町)周辺は、江戸末期の蘭学者で画家として有名な渡辺崋山の生誕地でもある。代々田原藩の家老職であった渡辺崋山は、田原藩三宅備前守の江戸藩邸のあったこの地で生まれ、蛮社の獄で入牢するまでの天保十年まで住んでいた。
(番町麹町「幻の文人町」を歩く より抜粋)