(インタビューは2010年に行われました)
山車の上の人形は、軍刀を手にした東郷元帥。今年、この三番町の「東郷元帥山車」がリニューアルして登場することとなり地元の話題となっている。
「戦後、経済的にも苦しい状況下において、先人は暮らしのなかで『一つの楽しみ・生きがい』となるように、そして明るい未来を迎える活力になればという願いを込めて、昭和25年(1950年)にこの山車を作りました。その後、幾度と無く小さな修復がなされてきましたが、私たちは先人の思いを心に刻み未来に向けて守っていくため、この度本格的な修理を実施しました。」と語るのは三番町町会長の田中さん。祭りの準備で忙しい中、インタビューに答えていただいた。
「神幸祭のコースに、お披露目として市ヶ谷〜三番町を巡行するものであり、その日は番町小・九段小・麹町小の児童達がこの伝統文化行事に参加します。3校の大勢の児童たちが威勢よく山車を引く姿に圧倒されるのではないでしょうか。また、翌日の連合宮入の際は、山車に二番町の大獅子頭を乗せて巡行します。」と話す。
企業のビルが立ち並ぶこの町でも祭りの文化が脈々と継承されている。リニューアルした山車は、6月11日の神幸祭にてお披露目される。東郷元帥の人形が乗せてある勾欄が高くなり、山車全体が磨かれ、各部に漆塗りが施されるとのこと。