大地の東端はデコボコだらけ

さあ、まち歩きの始まりです。

今回はNHKの人気番組“ブラタモリ”に地図製作で協力している株式会社東京地図研究社から鈴木さんにお越しいただきガイドをお願いしています。

麹町区民館から北へ進むとすぐさま下り坂になっていて、7mもの高低差があり、なかなかの勾配です。これだけの坂に名前が付かないほど、番町・麹町地域では坂はあたりまえのものです。
坂を下りきった場所は谷で、水が溜まる場所。洪水ハザードマップの浸水想定と見事に一致しています。ハザードマップは地形と照らし合わせればよりわかりやすくなります。今回鈴木さんに作製していただいた凸凹地図を見てみれば、一目瞭然です。

この近辺で特に高低差がよくわかる場所が大妻通りで袖摺(そですり)坂と五味(ごみ)坂が交わっている地点です。
千代田区のHPでは「一番町2番地と三番町5番地の間にあり〔ご・に〕が転訛して五味坂」とのことですが、長く住んでいる方からは「雨が降ると流されたゴミが溜まるからゴミ坂」というお話も。その方が納得しやすいかもしれません。


番町・麹町地域にこれだけ坂が多いのにも、もちろん理由があります。
関東平野西部に広がる武蔵野台地の中でも古い時代にできた土地なので、他よりも長い時間風雨にさらされてきたこと。さらに、土地が海の砂でできていて柔らかく侵食されやすいこと。
こういった理由から、番町・麹町地域では台地と谷地が入り組むデコボコ(=坂)が多く見られるのです。
この土地には江戸時代になり徳川家康の直参である旗本が「大番組」として江戸城警護のために住むようになり、そこから現在に続く「番町」という地名に繋がりました。


<当日配付資料>

当日配布資料(画像)

 

 

 

 

 

 

 


PDF版はこちらから(7.14MB)

 


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